人生について価値観について処世術について日本人再考

反面教師

 自分の親を見て、自分も将来そうなりたいと思う人。一方で、自分の親を見て、将来決してそうはなりたくないと思う人。どちらかに該当している人はたくさんいると思います。私はどちらかといえば、後者です。ただし、その理由は親の名誉のために書かないことにします。後者のように生きたいと思う人は,その親を反面教師として生きていきます。自分の人生にとって、そんな反面教師がいることで、生き方を再考する機会が生まれます。逆に言えば、そのような反面教師がいない人は、何か物事の良し悪しを誤解して、失敗してしまうこともあるかもしれません。ただし、ここで書きたいのは親子の関係についてではありません。日本人のみなさんがいま生きていく中で、周りが日本人だけだと、意外と日本人の良し悪しに気が付かないものです。でも、最近は否応なく、日本人でよかったと思っている人が増えていると思いますが、みなさんはいかがでしょう?

 インバウンドを推奨して、たくさんの外国人が日本に観光で訪れています。お金をたくさん落としてくれるのは、日本の経済にとってありがたいことです。ほとんどの外国人観光客は、日本に入国すれば、日本のルールにできるだけ従っているものと理解します。そして、日本の良さを体感して、帰国した後、知り合いに話をすれば、また来日する観光客も増えるでしょう。一方で、文化や習慣があまりにも違うため、最初はなかなか馴染めない観光客もいるでしょう。私も海外に何十回も行きましたが、一番馴染めなかったのは、お店の店員(チップを貰う店員以外のスーパーや雑貨店など)の愛想の無さと時間にルーズなところです。お店にもいろいろありますが、概してみんな仏頂ずらをしています。イタリアのベネチアで観光船に乗ろうと思い、キップ売り場の長い列に並んでいたら、その先にキップ売り場があるのですが、隣り合った売り場の店員が、長い行列が出来ているにもかかわらず、二人で雑談して、一向にキップを売る気配がありませんでした。でも、これらはたぶん、現地では日常のことなのかもしれません。逆に言えば、日本がいかに、お店の店員の愛想が良くて、時間に正確かということを物語っています。

 すると、逆もしかりで、そのような国から訪れた観光客は、自国との違いに、一種のカルチャーショックを覚えるのでしょう。アメリカの国内線や中国のバスなどに乗ると、とにかく日本人には耐えがたいくらい、うるさい状態です。でも、ドイツのトラムは日本と同じく話をしている人は一人もいませんでした。イギリスで泊まったB&Bの朝食は、毎日テーブル上の配置も内容もまったく同じでした。美味しい食べ物もそれぞれの国にはありましたが、ただ最初の1,2日くらいで、その後は飽きてしまうものばかりでした。前も書きましたが、外国には、いわゆる食文化を感じるものは結局ありませんでした。外国人が日本に来て、食べる物が全ておいしく感じるのもわかります。私も幸い、仕事柄、いろんな国に行って、その国の文化に接することで、日本を外から見ることができ、日本の良さを改めて認識した一人です。そして、やはり日本が一番であるという結論に至っています。若い頃はいろんな国に行きたいと思っていたのですが、いまはもう行きたい国はありません。パスポートもすでに失効しました。今後、海外に行くつもりはもうありません。

 いま、円安になってしまい、そもそもなかな海外旅行ができなくなってしまいましたが、みなさんは海外に行かなくても、たぶん自分が日本人であることを再認識して、日本人でよかったと思っているのではないでしょうか? SNSを通して、外国人からの日本の評価が急上昇しているのは必然で、それをみなさんも見ていると思います。「ジャパン・ロス」という流行語があります。日本に旅行に来て、自国とのあまりの違いにカルチャーショックを覚えてしまい、帰国してからもそれが忘れられず強い喪失感を覚える現象を指しています。日本に観光に来ても、自国のごとく、日本のマナーに従わない外国人も一定数います。でも、彼にとってはそれに何の違和感も覚えていないはずです。そもそも他国の文化やマナーを尊重するという意思がないのでしょう。でも、そのような外国人を見ている日本人は、まさに反面教師にすることで、日本人でよかった、日本人の文化を大切にしよう、という心がけが強くなると思いますが、いかがですか?