お散歩コース紹介日高見国

国府多賀城跡

 前回の続きです。東北歴史博物館で下調べしてから、国府多賀城跡に向かいました。以前に東北歴史博物館に来た際にも、1度だけ行ったことがありますが、なんの跡なのかも知らないし、本当に跡(広い空き地)しかなくて、見る価値もないと思い、それ以来、見に来たことはありませんでした。でも、発掘されていた石碑が最近、本物であると認定されて、国宝になり、国府の政庁が再整備される計画であることを知ったので、どんな状況なのか見てみようとは思っていました。そして、見に行きました。東北歴史博物館からは、歩いて10分ほどで行くことができます。仙石線を跨ぐため、一旦、仙石線の国府多賀城駅で西側に渡ったら、駅の壁に、多賀城創建1300年記念の大きな垂れ幕が掲げられていました。以前すでに書きましたが、724年に大野東人(おおののあずまひと)によって多賀城が創建されたと、多賀城市ホームページには記載されています。まさに昨年が1300年目でした。

 駅前には田んぼが広がり、そこを貫く道を歩いて行くと、公園があります。この公園は初夏にはアヤメが咲いて、アヤメ祭が開催されます。一度だけ見に来たことがありました。冬なので、公園は茶色でした。遠くには建立済みの南門が見えました。ただ、現在工事中のため、東側からは近づくことができませんでした。裏から近づけるのか回ってみたところ、近づくことができました。結構立派な門が完成していました。

 完成した南門の傍にある松の木の下には、少し大きな祠(ほこら)のようなものがあり、その中に、本物の石碑が鎮座していました。表面にはいろいろ書かれているようですが、よく読めません。詳細については多賀城市のホームページ内で説明されていましたので、興味ある方はそちらをご覧ください。

 続いて、西側にある政庁跡に向かいました。以前来たときはだだっ広い空き地しかありませんでした。ぱっと見、同じかと思いつつ、以前はなかったはずの説明パネルが設置されていました。また、何かを造っている途中であることもわかりました。長く続く、政庁に向かう通路をさらに歩きました。そして、階段の部分を上がってみました。やはり、いまだ空き地のようです。あいにく、観光客はおろか、地元の人も一人もおらず、おまけに雪が降ってきたので、引き返すことにしました。振り向けば、通りの先には南門が見えました。さらにその先には海が見えるはずですが、天気ガ悪くよく見えませんでした。当時の人たちは小高い丘にある政庁から、眺めの良い景色を望んでいたのでしょう。

 まだまだ、知名度は低いようですが、最近のニュースでは、宮城県が100億円ほどを掛けて、20年がかりで政庁を再建するそうです。もっと早く造ってと思いつつ、お金もないので仕方がないかと。あと、東北人の私としては、大和朝廷の出先機関ですので、少し複雑な気持ちに。雪が降り、寒くなり、手も冷たくなったので、駅の自動販売機でホットのカンコーヒーを買って、一気飲みして、仙石線で仙台まで戻りました。