ゲーム人生について日本人再考

メタバースに生きる

 以前、イーロンマスクが、この世が仮想現実でない確率は数十億分の1であると言っているということを紹介しました。仮想現実「ではない」確率です。この人何言ってるの?天才の考えることは違うな?大金持ちは何を言っても注目される?なんてことを、その時は思いました。でも、その後、言っていることはある意味当たっているという認識に至りました。こいつも頭がおかしくなったのか、と思うかもしれません。みなさんは自分を認識して、自分の考えに基づき、生きて行動していると、少なくとも自分では思いますね。まさか知らず知らずのうちに、誰かにコントロールされているなってことは思いませんし、信じたくもありませんね。自分が見ている世界が、リアルな世界で、バーチャルな世界のはずがない、と思いますね。でも、見た目の世界はリアルでも、意思や考えがコントロールされていると、心はバーチャルで生きていることになるかもしれません。私は、私そしてみなさんの心がすでにバーチャルな世界で生きているという認識に至りました。これまでバーチャルな世界にいたことがわかった私は、幸いにもリアルな世界に戻ることできました。でもそれを知って、改めてリアルな世界で生きると、ある意味、疲れます。いままで、真実だと思っていた世界が、バーチャルというよりは、「うそ」だらけの世界だと気づいてしまったがゆえです。

 歴史は勝者が造るということもすでに書きました。大昔のことは誰もわかりません。でも、DNA解析が進歩して、放射線炭素年代測定法などが開発されて、日本人のルーツは3万年前にあることがわかり、1万6千年以上昔の遺跡が北東北では発掘されています。でも歴史の教科書では、日本文化のルーツは大陸にあり、弥生時代に大陸から移動してきた民族が伝えたといまでも書いています。奈良にある橿原考古学研究所を中心とする考古学者・歴史学者が主張する、奈良にある橿原遺跡が天皇の始まりであるという学説が、現在主流派になっています。それは研究所の由来がそうだからでしょう。でも、大和朝廷より遙か昔の1万年に渡る縄文文明について語られていません。1万年以上前の真実は、だれも確かめようがありません。でもなんで、日本人そして日本文化のルールが、大陸から伝わったとされる弥生時代より、遙かに古くてはいけないのでしょう?せっかく、最新の科学技術によりそのエビデンスが得られたわけですから、素直に認めて、実は、大陸よりも日本の歴史は遙かに長いと自慢すればいいではないですか?それが、できない?なぜでしょう?「日本人」なら誰でも自慢したくなりませんか?、というふうに考えると、気が付かないバーチャルな世界が見えてきますが、いかがでしょう?まだ見えませんか?

 最近、メタバース関連の書籍を2冊ほど読んで、書いてあったことはすでにいろいろ聞いていたことの範疇(はんちゅう)から出ませんでしたが、この先、10年を考えれば、いっそのこと、メタバーズに生きるのも有りかと思えてきました。メタバースとは、メタとユニバースが結合された造語です。日本語訳としては、「仮想現実」というよりは、「仮想空間」が適当ですが、要はコンピュータ上に3DCGを駆使して、仮想(擬似)的な世界を構築して、その中で、自分自身もアバターとなって、みささんと交流したり、ゲームをしたり、お買い物をしたりという世界です。フェイスブックのザッカーバーグも、これを見込んで、社名をメタ(Meta)に変更したことはご存知かと。一つこれまでの世界やインターネットと決定的に違うことは、NFT技術、いわゆるブロックチェーンを使った、違法なコピーができない世界に唯一の著作物が造れます。これまでインターネット上のコンテンツは、著作権が有って無いようなもので、コピーしまくりでした。でも、ブロックチェーンにより、著作権は作者そのものに保証される世界が構築されます。アニメ、音楽、映画、アート、キャラクターなどの著作権が保証されますので、コピーやうそは通用しません。誹謗中傷などもできなくなるでしょう。なぜならば、個人が特定されてしまいます。歴史の改竄もできなくなるでしょう。真実は一つだからです。

 実はここに日本人の強みが生かされると期待できます。日本人にとって、メタバースはすでにほとんどの若者が経験済みです。私はオンラインゲームはいまのところやらないことにしていますが、ポケモンGo、あつ森、ファイナルファンタジーは、すでにメタバースです。メタバースのきっかけは、やはりゲームですね。その中では固有のキャラクターやアバターが生きています。ブロックチェーンを使えば、それぞれのキャラクターの所有権が明確になり、場合によっては自分で作ったオリジナルのキャラクターを販売することもできます。メタバースにはすでに、金儲けを企む人たちもたくさん住んでいます。バーチャルな土地を数億円で売り買いした例もあるようです。ここまで来ると、モラルの問題も出てくるかもしれません、日本人は独創性がないと思っているとしたら、とんでもないことです。よく考えてみてください。独創的な発想で始まったGAFAMも、最初にいた、いわば天才的な創業者はたしかに独創的でしたが、その後はそれを金儲けに利用している、ちょっとずる賢い?人たちがいるだけです。日本人は事業を始めるとき、自分自身も労働者として加わりますが、大陸の人は、人(奴隷)を使って、自分は楽することを考えます。そういう歴史を繰り返してきたからです。一方、日本には、多品種少量の製品で商売している人たちが、全国各地にたくさんいます。その中には何百年も続く老舗をあります。そんな人たちが活躍できるのが、ブロックチェーン技術にもとづく、メタバースかもしれません。

 10年後を想像してみてください。過去10年を振り返れば、スマホやSNSの進化はすさまじいものがあります。10年後には、板チョコを手に持つこともなく、手ぶらで、お買い物をしたり、講義を受けたり、友だちと会話できる、メタバースが実現しているかもしれません。心が仮想現実下にあるみなさん。10年後は、この世は見た目がリアルで心がバーチャル、メタバースは見た目がバーチャルで心がリアル、になっているかもしれません。