趣味と勉強飽きずに繰り返せるか

飽きずに繰り返せるか

 同じことを何度もやっていると、普通だんだん飽きてきたり眠くなります。でも、これが趣味だと、全然飽きません。不思議ですが、前にも書きましたが、ドーパミンのせい(おかげ)です。嫌いなことだと、だんだんイライラしてきたりもします。物事も好きでやるのと、嫌いでやるのでは、同じことでも雲泥の差になります。「24時間働けますか」という栄養ドリンクの宣伝が昔ありましたが、今でしたらば、労基法に抵触します。24時間飽きずに仕事をしていたらば、そのうち、死んでしまいます。主婦業も、料理がきらい、掃除がきらい、な方もたくさんいるでしょう。むしろそちらの方が普通かもしれません。でも、料理が大好き、片付けが大好き、という方も確実におります。庭の草取りや手入れが嫌いな方が住んでいると思われる家の庭は、たぶん荒れているでしょうね。でも庭の手入れ、よく言えば、ガーデニングが趣味の方が住んでいると思われる家の庭は「やたら」とお花があって、華やかです。我が家は、私が少しだけ、ガーデニングに前向きなので、庭の手入れは定期的にしていますが、玄関先に花などを陳列してはいません。

 仕事が趣味だという人はそんなにいないでしょうが、私は仕事としての研究が趣味と重なっているところがあり、40年も飽きずに同じ研究を続けることができたことは確かです。勉強ができるか否かも、たぶん飽きずにできるか否かにかかっているようです。生まれながらにして天才の人もいるでしょうが、脳みその量はほとんど変わらないはずです。ただし、シナプスの繋がりが普通と違うのかもしれません。他のことは全然だめでも、記憶力や計算力だけものすごい方、いわゆるアスペルガー症候群の方もおられます。特別な方を除いて、普通の人は、同じことを繰り返していると飽きてくるはずです。でも、それができるか否かが、たとえば受験などを左右しているようです。飽きずに参考書の同じ問題を10回も解ける人は、どこにでも合格できるかもしれません。10回もやったら、そもそもすべて暗記できていますからね。高校での学力は、偏差値などで順位付けされますが、飽きずに同じことができる学生が、たぶん高い偏差値を取っているものと推測できます。私もとにかく飽きっぽいので、高校生のとき、同じ参考書を3回も勉強した記憶はありません。2回は2,3冊くらいあったかもしれません。飽きずにもっとやっていればまた違った人生もと思っても、それは無理だったといまでも確信できます。

 学力は数値に出て、学校の選択に影響し、就職にも影響します。でも学力の違いで、脳みその質にも違いが出るはずもありません。たぶん高校までの学力は、いかに飽きずに同じことをひたすら繰り返すことができるか否か、言ってしまえば、最後は暗記できるかどうかによって差がつくのでしょう。ただ、それができれば、それに越したことはないと、私も思います。それができなかったからだめだったわけです。というよりは、それができなかっただけ、ということもできます。これは、単に学力に基づく能力の差というよりは、忍耐強く、飽きずに同じことを繰り返す能力、忍耐力かもしれません。高校までの実力とは、あきずに暗記が続けられるか否かに左右されていたのかもしれません。たしかに昔の人は、書物をひたすら声を出して読んで暗記したり、お経などをひたすら写経して暗記していました。記憶のしかたはいまも昔も変わらないのでしょう。

 話しの最初に戻りますが、趣味など好きなことなら何回繰り返しても飽きることはありませんね。たしかに、私も飽きっぽいのですが、シミュレーションゲームはもしかすると死ぬまでやっているかもしれません。そうならないようにその前にやめていますが。受験勉強だから、仕方なく参考書を勉強していた私は、同じ参考書を繰り返し暗記することができなかったのも当然かもしれません。同じ参考書を10回も解いている人は、嫌いならそんなことできませんし、嫌いでなくてもそこまでやろうとは思いませんが、やはり確固たる目的、たとえば、将来の夢を実現するため、トップの大学に合格するため、など、夢を実現するための強い意志から、それが可能になるのでしょうね。そこまで飽きずに集中できる人は尊敬に値します。私も真似したいのですが、やはり無理かと。