トラベル日記

遠野と原風景

 北東北の2泊3日の旅行では、3日目、遠野に行きました。2日目の夜に盛岡に1泊して、朝8:40に出発する、「快速はまゆり」1号釜石行きに乗りました。これは東北本線から釜石線に乗り入れる直通列車です。快速ですが、3両の内、1両が指定席車両で、指定席を取って乗車しました。車内アナウンスを聞いていると、ちょっと違和感を感じて、動き始めてわかったのですが、後ろ方向に出発しました。よくよく聞けば、花巻で釜石線に乗り入れるときに方向が逆になるとのことで、たしかに花巻からは逆になって前向きで進みました。盛岡から1時間20分くらいで遠野に到着しました。下調べで、レンタサイクルを借りて移動するのが便利だと知りましたので、遠野駅のすぐそばにある遠野市観光案内所の中で、電動アシスト付きのママチャリを借りました。実は電動アシスト自転車に乗るのはこれが初めてでしたが、ペダルを踏んだ瞬間に、普通の自転車では味わえない加速感を感じて、最初は少し慣れませんでしたが、道を進むにつれてすぐ慣れて、同時に便利さにただただ感動。これでは、普通の自転車に乗れなくなります。天気予報では、曇り時々雨となっていたのですが、なぜかまた晴れ出しました。日焼け止めを念のため塗っておいて、正解でした。

 まずは、ご多分に漏れず、カッパに会うために、カッパ淵まで国道340号線をひたすら、こぎ続け、カッパ淵の近くにある伝承園の駐輪場に到着しました。だいたい20分くらいです。アシスト無しの自転車では、たぶんたどり着けなかったと思います。伝承園からカッパ淵まで歩いて向かい、途中、ポップ畑を通り抜け、常堅寺の境内を横切って、5分くらいでカッパ淵にたどり着きました。以前に1度来たことがありますが、その時と印象はあまり変わりません。名人用?の竹竿からキュウリがぶら下がっていました。世の中はお盆休みも終わったせいか、観光客もほとんどいませんでした。写真を何枚か撮って、戻りました。今回は原風景の写真と動画を撮るのが主目的でしたが、先にも1度書きましたが、「遠野物語」の語り部であった、佐々木喜善さんの生家があるとの情報を得ていましたので、それでは是非にと、国道をさらに20分くらい、こぎ続けて、生家に到着しました。入口に案内板があるので、たしかに佐々木さんの生家でしたが、今もご子孫が住んでいる普通の民家でした。ついでに、「山口の水車」とか遠野物語で姥捨山?とされている「デンデラ野」などにも行きましたが、見た目はただの水車とただの野といった感じでした。天気予報で午後から雨が降ると予想されていましたので、あまり長居をせずに、元の伝承園に戻りました。

 伝承園には、佐々木喜善記念館や、オシラサマが飾られた旧家やザシキワラシが出るとされた部屋などがありました。佐々木喜善記念館で知ったのですが、佐々木さんというのは、地元の訛りの強い爺さん程度に思っていたのはまったくの間違いで、早稲田大学文学科を卒業した、りっぱな文学者でした。たいへん失礼しました。佐々木さんが柳田国男と知り合い、子供のころから聞かされていた民話を話して、それを柳田国男がまとめたものが遠野物語です。伝承園で一通り見た後、お食事処で、ひっつみ汁を食べて、雨が降る前に自転車を返すため、帰路に着きました。その途中で、これが原風景かな?と言えそうな写真を撮りましたので、アップしておきます。田んぼと山ですね。通った国道340号線には、数キロくらいまっすぐなところがあり、周りは一面田んぼでした。その田んぼの周りが一面小高い山で囲まれた、まさに盆地でした。無事に遠野市観光案内所まで戻ることができて、自転車を返却して、帰りに新花巻まで乗る予定の、はまゆり6号の時間までまだ余裕があったので、近くにある「とおの物語の館」というところに行きました。そこには、柳田国男が住んでいた家が移設されて中が公開されていました。語り部の話が始まるというので、話を聞き始めたところ、急に大雨が降ってきて、早めに切り上げて正解でした。語り部の話は、どうも訛りがキツくて、言わんとしていることは伝わりましたが、細かなところがわかりませんでした。話の一つはオシラサマでした。なんか、遠野物語では父ちゃんと娘の話が多いようです。

 だんだん電車の時間も近づいてきて、さすがに炎天下、熱風の中での3日目で、疲れたこともあり、駅に戻り、喉が渇いたので、遠野のリンゴジュースを買って飲んだら、これがこの上なくおいしく感じられました。ちなみに、青森駅の改札近くには、リンゴジュース専用の自動販売機があり、いろんな種類のリンゴジュースがありました。ここでも一つ買って飲みましたが、こちらもすごくおいしかったです。駅のロッカーに預けていたスーツケースを取り出して、リュックを乗せて、はまゆり6号に乗って、新花巻からはやぶさに乗り換えて、仙台に帰りました。ところが最後の最後に、慣れない自転車を長時間こいだせいか、仙台で新幹線を降りようと座席から立った瞬間、両足の太ももがつってしまい、危うく降りれなくなるところでした。夏場の2泊3日の旅行はきつすぎると自覚して、次回からは1泊2日にしたいと思います。

かっぱ淵 暗くて竹竿とキュウリがよく見えない?
ザシキワラシの部屋 何か見えましたか?
借りた電動アシストママチャリ
遠野の原風景とはこれのことか?