英語の読み書き趣味と勉強

英語の読み書き

 世界で一番使われている言語は英語です。もし日本語だったら、もっと違った人生を歩んでいたかもしれませんが、あいにく英語です。私も、中学、高校と英語は苦手でした。そのため、大学入試の二次試験では、その時は英語がなかった今のところを選びました。今はあります。大学4年間も英語の必要性はほとんど感じませんでした。英語をもっと勉強しておけばよかったと後悔したのは、大学院に進学してからです。研究分野がまだ新しい分野だったので、最新の知識を吸収するためには、英語論文を読まなければなりませんでした。英語の辞書を多用して論文を必死で読み始めたのですが、専門用語は、必ずしも辞書には載っておらず、たとえば、「Explicit Method」という専門用語があるのですが、辞書で「Explicit」は、「あからさまな」程度しか訳されておらず、「あからさまな方法」などと最初訳したりしていましたが、これは正確に訳すと、「陽解法」という専門用語になります。「Implicit Method」が反対語なのですが、そのままだと、「暗黙の方法」などと訳してしまいますが、正確には「陰解法」と訳します。

 英語で小説を読むのとは違い、幸い英語の専門論文は数十編程度読んでいくうちに、使われている専門用語はほとんど同じですので、自ずと読めるようになります。次に遭遇したのは、英語論文の執筆です。そもそも、論文自体書いたことがなかった大学院生成り立ての頃は、論文を書くなんてとても無理だと思っていましたが、とある先生から、2年も研究していたら、論文なんて誰でも普通に書けるようになる、と言われ、たしかに今から思えば、日本語の論文は2年でなんとか書けるようになっていたと記憶しています。けれども、英語の論文になると、英語の文章自体を書くのに慣れていない者にとっては、まったく未知の領域でした。大学院の博士課程に進学して、国際会議で発表する機会に恵まれて、英語論文を書き始めたのですが、はっきり言って全然書けませんでした。いまでしたらば、翻訳ソフトなども充実していますので、学生もそこそこの英文が書けるようですが、35年ほど前の当時は、そのような便利なものはありませんでしたので、悪戦苦闘していました。

 35年経って気が付けば、英語の論文もすでに200編以上書いています。自分でも満足のいく英語論文が書けるようになったと実感できるようになったのは、実はここ数年くらい前からです。そのように感じるようになったことにもっとも貢献したのは、英文添削を受けるようになったことです。いまでも英語論文を投稿する際には、必ずネイティブ(英語をしゃべる国の人)の英文添削を有料で受けています。値段も結構高くて、1編辺り、5,6万円は取られます。幸い、自分で払っているわけではなく、研究費で支払っています。英文添削なしで投稿していたときは、自分ではそれなりに書けていると思っていても、レビュアーから帰ってきたコメントに、Poor Englishとよく書かれました。英語がPoorだったために、論文をReject(不採択)されたことも複数回あります。英文添削を受けてみると、自分の英語がいかに独りよがりのものであるかに気が付きます。また、思いもよらない単語や、高校までの英語で習った文法には決してない文章に校正されて帰ってきます。そのようなことを数回経験すると、本来ネイティブが使用する単語や文章がわかってきます。