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自分の部屋と俯瞰力

 お母さんから部屋を片付けなさいと言われたことがある人は結構いるかと思います。そういうお母さんも台所の食器が洗い残されていたりします。みなさんのいまのお部屋はいかがでしょう?よく物がなくなったり、同じ物を間違って買ったりしていませんか?これは自分の所有物がどこにあるのかが把握しきれていないからです。精神的な疾患が原因で物が片付けられない方もいますので、一概には言えませんが、自分の部屋を見れば、自分の俯瞰力がわかります。部屋が散らかる原因の一つに、物の買い過ぎがあります。部屋の広さは一定ですので、物を買い続ければ、当然その物で部屋のスペースはだんだん占められていき、部屋が相対的に狭くなるのは自明の理です。「一つ買ったら,一つ捨てる」。こうすれば部屋のフリースペースは維持できます。さらにその上を行って、「一つ買ったら、二つ捨てる」。そうすれば、いずれ部屋には物がなくなります。断捨離の方法ですね。私も先がそんなに長くはありませんので、もう余計な物は極力買わないことにしています。また、同じ機能のものは極力1種類にするよう努めています。でも、なかなか実践するのは難しいですね。

 服や書籍がどんどん増えて、部屋が埋め尽くされている方もいるでしょう。 私の場合、古くなった服はどんどん捨てています。また、紙の書籍はもう買っていません。代わりにKindle Unlimitedをサブスクして電子書籍を購入(ほとんどが無料)しています。これですと、全部の書籍をクラウド上に置くことができるので、ipadやスマホがあれば、いつでも読めますし、部屋を書籍が占有することもなくなります。物に愛着が強い人は、一度買ったものをなかなか捨てることができません。いつか使うかもしれない、捨てるのはもったいない、そもそも買ったこと自体忘れてしまった。などいろいろな理由があるかもしれません。私は、買って1年経っても使わないものは一生使わない、と割り切って、そのようなものはできるだけ捨てることにしています。ただし、思い出のメモリに相当するものは当然捨てません。旅行先で買った、そこを象徴するようなお土産や昔の写真など。捨てるのは主に消耗品の部類です。部屋を占有している物を今一度、見てみましょう。それぞれ本当に必要なものか、同じ機能のものはないか、さらには同じものがないか。コレクションで集めている物は別として、同じようなものが知らず知らずのうちに増えているとすると、皆さんの俯瞰力に問題ありと判断します。

 「子は親の鏡」と言いますが、「部屋はあなたの鏡」でしょう。あなたの頭の中や心の中を映し出していると私は思っています。部屋が片付いている人は、たぶん几帳面な人であり、頭の中も整理が付いているはずです。一方、ズボラな人の部屋はたぶん散らかっているでしょう。ただし、几帳面が良くて、ズボラが悪いというつもりはありません。たぶん、ズボラといわれそうな方の部屋は散らかっているのは間違いないでしょうが、でもこのような人には一芸に長けた方もいるはずです。秀才か天才かとすれば、どちらかといえば、天才肌の方でしょうか?もっと極端な例では、アスペルガー症候群のように、ある特定のことには卓越した才能を有しているが、それ以外はまったくだめという方もおられます。ある特定のものに神経が集中してしまうため、それからずれたものはおろそかになる傾向があるのでしょう。大事にしている物はいつも注意が向いていても、買ったのに飽きてしまったものや気に入らない物には興味が失せてしまい、いつの間にかほったらかしの状態になっているのでしょう。そのような物こそ、いますぐにでも捨てるアクションを起こしましょう。

 「部屋はあなたの鏡」だとすれば、いつの間にか、あなた自身が部屋の鏡になってしまっているかもしれません。わかりやすく言えば、部屋を見てそれが自分だと思ってしまうと、スボラさが倍増してしまいます。部屋の片づけはおっくうなもので、片付けが趣味な人以外は、あまり気が乗らないものです。私もやるまでに結構、腰が重いです。でも、いざ行動に移し、部屋のレイアウトなどを変えた後は、部屋がリセットされるのと同時に、気持ちもリセットでき、新たな気持ちでマイライフを楽しもうと思えます。自分には俯瞰力などないと思っているあなた。俯瞰力がないのではなく、忘れてしまっただけかも。まずは、自分の部屋を、一大覚悟で片づけてみましょう。きっと気分がリセットされて、部屋の隅々まで神経が行き渡り、自分の頭の中もリフレッシュして、全体が見渡せられるようになり、俯瞰力も戻ってくる。かもしれません。