人生について処世術について断る勇気を持つ

断る勇気を持つ

 本当はやりたくないのに、親切心で引き受けてしまい、後で後悔したことはありませんか?上司からの依頼だと、断われないこともままありますね。そんな時、どんな心理状態なのか思い出してもらえばわかりますが、大体は、断ると怒られる、断ると失礼である、断ると嫌われる、断るとがっかりさせてしまう、あたりではないでしょうか?これらに共通していることは、自分を悪く思われたくない、という心理に集約されます。先にも紹介した、「承認欲」にもつながります。逆もしかりで、何かお願いしたときに断られたら、多少なりとも気分が悪くなるのは普通かと思います。でも、それで相手を嫌い始めたら、それを元に相手にも嫌われ始めるかもしれません。Win-winの関係も崩れてしまいます。他者からお願いごとを引き受ける際には、後で後悔するという選択肢は排除しておくことが肝要です。多少なりとも後で後悔しそうという懸念を感じたら、勇気をもって断りましょう。もし断って嫌われれば、相手はその程度の人だったと思えばいいのです。本当に信頼関係にある人は、断られたその時には少し気分が悪くなるかもしれませんが、信頼関係まで終わらせたいとは思わないはずです。

 物理的な損害はなく後悔だけならばまだ救われるのですが、たとえばお金がからんでくると厄介なことになる恐れがあります。友達とのお金の貸し借りはまだいいとして、たとえば、儲かると買わされた株が大暴落したり、社長職を譲ずられた途端に会社が倒産して負債を背負わされたりなど、いわゆる毒饅頭のようなものも世の中にたくさんあります。なかなか毒饅頭を見分けるのは難しいですが、わかりやすい事例としては、儲け話です。得するというような話には必ず裏があると、疑ってみることが肝要ですね。日本人の「和」を尊ぶ精神は、他国ではなかなかまねのできない誇るべきものですが、裏返すと協調性を重んじてしまうあまり、嫌なお願いもついつい引き受けてしまいます。その点、外国人は嫌なものはやらないところが、留学生などを見ていると感じます。いつも断ってばかりだと、そのうち相手にされなくなるおそれはありますが、やりたくないと思ったお願いは、勇気を持って断りましょう。もしくは、代替案として、これだけならやってもかまわない部分を見つけて、逆に提案してみるのもありかと思います。