人生について数値に振り回される人生

数値に振り回される人生

 私の周りには数値が溢れています。感染者数、何%割引、レビュー評価、売れ筋ランキング、体重、血圧、コレステロール、論文被引用数、研究費獲得金額、などなど。数値のない世界は考えられません。健康のため、生活のため、出世のため、遊びのため、世界のため、などいずれもなにかしらに役に立っているのでしょうが、みなさんも振り回されていませんか?たとえば、SNS。Facebook, Twitter, Instagram, YouTube、など。YouTubeなどはこれを仕事にしている人もいますので実益になっていますが、Instagramに自分の趣味を紹介したいと写真をアップしているうちに、自分の趣味がなんか「いいね」や「フォロワー」を増やすことに変わってしまっていると、ふと気がついたことはありませんか?私がまさにそうで、庭ダイアリーを始めた際にも書きましたが、以前、Instagramに自宅の庭に咲いた花の写真をアップしていたことがありました。でも、ふと気がつくと、「いいね」を増やすため、インスタ映えする写真を撮っていました。もともとガーデニングの写真を紹介しようと始めたのですが、いつの間にか、「いいね」を増やすのが目的になっていることに気がつき、結局、Instagramは止めました。

 ゲームの獲得ポイント、パチンコや競馬など、当たれば儲かるものでしたらばまだわかるのですが、獲得ポイントやアイテムを増やして、ふと現実の戻ると、そのポイントはいったい何だったのか空しくなったことはありませんか?私もシミュレーションゲームが趣味の一つですので、始めるとケースによっては、1日12時間、三日間くらいぶっ続けでやっていることがあります。一段落した時は頭がぼーーっとしていますが、冷静になると、いったい何を追い求めていたのか、結局、時間が潰れただけと、だいたい、いつも思います。「いいね」やゲームポイントなどの数値を追い求めてしまうのは、ドーパミンのせいです。したがって、これは切りがいいところでないと止められません。幸いにして、これらの数値が上下しても自分の人生にはほとんど影響しません。でも少し考えてみてください。この「いいね」ボタンが、そのような人間の本能をうまく利用する目的で付加されていたとしたら。

 よくテレビ番組で、「この春の流行はこれです」という紹介があります。でも、どう見ても周りでまだ流行っている気配など感じない、と思うときがあります。これは、世にいう、「ステマ」、ステルスマーケティング、であることはみなさん知っていると思います。流行は、そのテレビ宣伝がきっかけで始まります。スマホゲームやサブスクは、初期費用が無料とうたっています。気軽な気持ちで始めますが、結局止めることができずに有料になってしまいます。プリンター商法と同じです。総選挙の前に、各マスメディアは、自民党が優勢だの、野党が優勢だの、言っていることがまちまちです。でもちゃんと調査しているのでしょうか? 人の心理をうまくコントロールすることで売り上げを上げることは、マーケティングの基本です。散財が増えてしまうのも問題ですが、それ以上に自分の主義や思想、歴史観まで知らず知らずに操られてしまっているとしたら、どうですか?

 いろんな数値や情報がなんか変?と思っても、それらが本当に正しいか否かはすぐには確認できません。ついついそれらを鵜呑みにしてしまい、結果的に振り回されてしまいます。今見ている数値や情報が本当に正しいのか、まずは疑うところから慎重に始めることを、お勧めします。