数値とAI
世の中、何から何まで数値、数値、数値の時代になってきました。銀行口座の残高、学校の成績、大学のランキング、業績評価、レストランの注文と支払い、カードのポイント、体重・血圧の値、選挙の支持率、相性の割合、などなど。数値で物事を判断するということは、客観的に判断することであり、主観の入る余地がほとんどありません。ということは、AIで判断できるようになったら、人が介在する余地はなくなります。そうしますと、数値で物事を判断している分野や職業で、その数値を扱っている職種の人たちはいずれ必要なくなります。すでにそのようになっているのを感じる職種もあります。銀行の窓口で働く人は減りました。レストランの注文から支払いまで人が介在しなくなりました。コンビニやスーパーもセルフレジが普通に導入されていて、店員の負担は減っています。学校の成績は大手予備校にでも任せておけばいいでしょう。出生率が減少して、人口が減少に転じている日本では人手を減らし、ロボットや外国人に頼らざるを得ないようになるのは必然ですので、ある意味、仕方のないことかもしれません。
でも、本当にその数値を信用して生きていていいのかと疑ってしまうことが起きたりします。たとえば、選挙の支持率。オールドメディアが言う支持率が当たった試しがありません。それは当たり前のことで、支持率というよりは、オールドメディアの期待値だからでしょう。結局、選挙当日の出口調査との乖離がいつも生じます。ただし、今回の衆議院選挙では世論誘導をする余地もなかったのかもしれません。あなたと彼女の相性は100%ですと言われて付き合ってみたが、全然そうではなかったという結末で終わることはよくありそうです。これは最初に期待値が高すぎて、現実が相対的に悪く見えてくるからでしょう。それでも、これらは自分の命に関わることではないですから、諦めもつきます。でも、自分の命に関わるような数値だったら、後悔しても遅すぎます。まさに医療の現場がそのようになっています。
人間ドックは毎年受けていますが、いろんな数値が測られて、現在の健康状態が判断されます。でも、人間ドックではアドバイスまでですので、薬が処方されることはありません。人間ドックで悪い数値が出ると、再検査になったりします。再検査で引っかかると病院行きになります。そして、病院ではまた数値が測られて、その数値に応じて薬が処方されます。定期検診は自分の体の調子を知る上で、欠かせないと私は思っていますので、病気の早期発見には大切です。病院の医師が言うことは間違いないと信用して、処方される薬を飲み続けます。そして、病気が完治すれば、医師に感謝したくなります。最近の医師は忙しいのか、医療機器が進歩したのか、あまり問診や触診に時間を充てることはなくなり、医療機器がはじき出した数値に基づき、この数値が高いから、次はこの薬を飲んでください、で終わったりします。
私も医師の言うことは完全には信用していないので、最近はGoogle AIに聞いたりします。すると、医師が言っていたことと同じ内容であれば、なるほどと信用します。セカンドオピニオンという制度があり、主治医の治療内容に疑問を感じた場合には、別の医師に相談することができます。ただ、治療履歴は主治医から入手して、30分辺り22,000円の診断料が必要です。この金額が意図しているのは、セカンドオピニオンなど聞くな、という威嚇でしょうか? そのセカンドオピニオンをGoogle AIがすでに担う時代になったと感じています。ただし、Google AIこそ統計や数値に依存して判断しますので、それを鵜呑みにするのは注意が必要でしょう。いま必要なのは、数値に依存した医師ではなく、経験に基づき、患者との問診を通して病気が判断できる俯瞰的な医師ではないのかと、私は思います。総合病院ではなく、長年町医者をしている医師にはまだそのような人はいます。ただ、その真逆な、○医者と呼ばれる人たちもいます。
