処世術について常識を疑ってみる趣味と勉強

常識を疑ってみる

 学校のテストで100点を取れる人は、教科書をしっかりと理解している人ですね。でも、もし教科書に書いてあることが間違っていたら、どうしますか?教科書に書いてあることが間違っているわけないでしょう。と思いますね。仮に、教科書に地球は平、太陽が地球を回っていると書いてあったら、今の人は嘘だとわかります。でも、それが本当だと思っていた時代もあったわけです。科学の進歩は、いわば常識の破壊から始まります。同じく、社会も常識からの脱却から発展していきます。部活中は水を飲むなと教えられていたものが、いまは水分補給を欠かすなといいます。土地は必ず値上がりすると言われて投資した人が、バブルの崩壊で大損しました。10m以上の津波は来ないを思い込んで、福島原発では大事故が起きてしまいました。普段は常識に従って生きていれば、何ら問題はありません。地球は丸くて回転しており、さらに太陽の周りを回っている。地球には重力があり、リンゴは地面に落ちる。なんでリンゴは落ちるのか、と疑ったことのある方はほとんどいないでしょうね。なぜならば、それは重力があるから、という答えになるからです。それでは、重力とは何なのか、どうして重力はあるのか、を考えたことはありますか?遠心力で空に飛んで行ってもおかしくないのですが。

 最近テレビや新聞は、ほとんど見ない読まない、ネット上から情報収集、という人は多いと思います。私もその一人ですが、ただ気を付けなければならないのは、ネット上には情報が氾濫しており、その真偽を見定めるのが難しいことです。いわゆる、デマ情報はたくさんあります。特に、情報を入手するたびに一喜一憂している人は注意が必要ですね。振り回されないためにはどうしたらいいのか。やはり、ネットから確信できる情報を得ることは難しいです。情報を信頼するためには、情報を多角的に分析する必要があります。一つの方法は、信頼できそうな書物をたくさん読むことです。1冊だけではなく、いろんな異なる意見の書物を読んで、最終的には自分でその真偽を判断することです。テレビ、新聞、ネットと違い、書物はそれを執筆するために著者は結構な時間を必要とします。また、おかしなことを書けば、永遠に記録に残ってしまいます。したがって、少なくとも著者は自分が信じている内容を書物に書くはずです。意図的に嘘を書こうとしても、時間がかかりますから、そんな面倒なことをする著者はそんなにいないでしょう。むしろ、意図的に故意の情報を流すのには、テレビ、新聞、ネットは打ってつけな「安易」な手段です。ただし、戦後実施されたGHQによる検閲の影響を受けた日本人の執筆家は多くいたようで、意に反した内容の書物もあることを知りました。小説もそのようですので、ご注意ください。

 研究者の変な癖が染みついてしまい、私は他人の論文を読んでも、つい内容について疑念を抱いてしまいます。でも、研究者は疑念を抱くところから、新しいイノベーションが生まれると思っています。論文に限らず、最近、歴史関連の書物を読むのが好きですが、驚いたのは、著者ごとに結構主張していることが違っています。そのため、真実を探求するために、さらに別の著者の書物を読むという深みにハマっています。要するに、考え方は多様ですので、一つの書物やネットのある特定の情報だけに頼っていると、間違った情報を鵜呑みにしてしまうおそれがあるということですね。多角的に書物を読んでいるうちに、いままで信じていたことが、間違いだったと気づくことがあるかもしれません。なんでも疑ってしまうのもまずいのですが、日常的に無意識に行っている行為や常識だと思っていることを、ふと疑ってみるのも、自分自身を覚醒するためには大切なステップですね。