再スタート
この4月から社会人として、または大学生として再スタートした人たちもたくさんいることかと思います。同じ場所で所属や身分だけが変わっただけでは、あまり再スタート感はないかもしれませんが、住んでいる場所が変わって再スタートする人たちにとっては、いわばゼロからの再出発であり、そう心で決めて、新たな気持ちになって、再スタートしているのではないでしょうか? でも、そんな気持ちを地に落としてしまいそうですが、そんな新鮮な気持ちはあまり長く続きません。いまはあまり聞かなくなった五月病という言葉。大学新入生などがゴールデンウィークを境に、急にモチベーションが下がってくることを揶揄した言葉です。
これまで私がいた大学では、新1年生を研究室に仮配属する制度がありました。私の研究室にも毎年、4,5名の新入生がガイダンスのため、4月の上旬にやってきます。まさに今週辺りだったかと。これはあくまで仮配属ですので、正式な配属ではありませんが、要は3年生で正式配属されるまでの2年間、仮担任になるようなものです。この2年間にそれぞれの学生に何事もなければ、ほぼ接点もなく終わります。ただ、何かあった時に、アドバイザー教員として対応しなければなりません。毎年必ず、講義についていけなくなる学生が出てくるので、その学生の相談に乗ったりします。でも、これまでで一番記憶に残っているのは、下り坂を自転車で下っていたら、電柱に激突して、頭を骨折して、集中治療室にいるので、見てきて欲しいというものでした。
でも行ってみたら、面会謝絶で本人には会うことはできず、身内の人もいませんでしたので、そのまま帰りました。半年くらい?経ってから、研究室の私の部屋に見慣れない学生がやって来て、実はあのときの学生であると報告されました。何事もなく無事な姿を見て、忘れかけていた記憶が蘇ったことがありました。仮配属された学生には毎回必ず言っていることがあります。それは、落ちこぼれないように、引きこもらないように、気を付けなさい、ということです。そのためには、何でも相談できる親友を1人でも多く作りなさいとも言っています。それを聞いている新入生は、自分はそんなことには絶対ならないような顔をして笑っています。でも、その中の1人、2人が、その後、半年、1年経つと、学業についていけなくなり、留年しそうになります。まさか自分がそうなるとは、入学当初には想像できなかったわけです。
最近は、絶対この会社に就職するといって、晴れて就職した会社を1年も経たずにやめてしまうケースが見られます。これは、いわゆる転職サイトが最近増えてきて、転職するのに抵抗がなくなってきたのも影響していると思いますが、でも、転職したのに、前の方がよかったと思っている人たちも結構いるのではないかと想像します。前にも書きましたが、まさに石の上にも三年、3年くらいはその会社に勤めなければ、そもそも何をやっているかわからない、と企業のトップにいる人たちからはよく聞きます。ご本人たちがまさにそうなのでしょうから、自分の経験から言っているのでしょう。それゆえ、偉くなれたのかもしれません。ただし、ここで書きたいのは、偉くなることではなく、人生の先をよく見る目、俯瞰力による処生術です。
定年後に始めようと思っていた、このホームページを、その5年前にフライングして始めてしまった、と以前書きましたが、実はそれは5年後の退職を見据えて、それが最善であると判断したからでした。
