俯瞰力を鍛える方法その1
夏休みが近づいてきて、どこかに旅行にでも行こうと計画している人もいるかと思います.コロナ禍で3年くらい何処にも行けなかったので、私もひさしぶりに短期間プライベートの旅行を計画しています。まずはいつ、どこに、どれくらい、だれと行こうかを考えますね。そしてどうやって行くのか、どこに宿泊するのか、などを普通は考えます。でも、考えるのが面倒だったり、始めて行く場所だったりした場合には、ツアーなどを見つけて添乗員にお任せする人もいるでしょう。お金に余裕がある人はその方が楽かもしれません。または一緒に行く人に計画をすべて丸投げする人もいるでしょう。旅行の楽しみは自分で日程を組み立てるところだと私は思いますが、そうでない人もいるでしょう。旅行に限らず、たとえば、PCを新規で購入する際に、自分でパーツを揃えて、組み立てる人もいますが、完成品を購入する人もいます。料理が好きな人は、いろんな食材を揃えて得意な料理を作りますが、そうでもない人や時間のない人はお惣菜を買ったり、出前を注文したりします。
先に、自分の部屋は自分の頭の中を具現化しているとも書きました。実は、俯瞰力は日常の何気ない行動の繰返しにより鍛えることができます。というよりは、いきなり身につけられるものではありません。日頃、まさにいま毎秒、考えている思考方法の工夫が俯瞰力を鍛えるには大事です。車を運転する人は当然、前後左右に気をつけないと事故ります。歩行者も信号だけでなく、車も見ていないとはねられます。ある特定の人だけをチヤホヤしていると、他の人から妬まれたりします。好きな物ばかり食べていると栄養が偏ってしまい、病気になってしまうかもしれません。メディアやSNSのある特定の情報ばかりに頼っていると、それが真実であると思い込んでしまいます。当然、真実の方が多いと信じたいですが、故意にフェイクを流している人たちもたくさんいます。
別に俯瞰力などなくても生きていける、と思っている人もおられるでしょう。たしかに以前はそれでもよかったかもしれません。でもいま、何が正解なのか非常にわかりづらい時代に突入しています。みなさんが正解だと思っていることが、はたしてそうではないことがたくさんあると、私は気づいています。特に、最近のメディアの情報を鵜呑みにしてしまうと、下手すると自分の生命に関わる事態に陥る恐れがあると私は思っています。メディアというものが、元々どのような目的で造られたのかを理解する必要があります。多数が無意識に従っている(信じている?)事象について、それがおかしいと気がつくためには、まさに「俯瞰力」が必要です。
俯瞰力を鍛える第一歩は、まず物事を多角的に見る訓練です。一つの物について、一方からのみ見ていると、他方ではどんな形をしているかはわかりません。笑顔の裏には悪魔が潜んでいるかもしれません。ただし、情報不足だと、疑心暗鬼に陥る恐れがあります。物事を多角的に見るためには、エビデンスに基づく情報が不可欠です。部屋を片付ける、旅行を計画する、PCを組み立てる、料理を作る、これらはすべてエビデンスに従えば何の問題もなく、どうすればいいかの道筋はわかります。俯瞰力を発揮するまでもない事象です。一方、メディアの情報(政府の情報も含む)のみに頼らざるを得ない事象(あえて書きませんが)では、エビデンスが非常にわかりにくい時代です。どうしてそんな時代になったのかを理解するにも、「俯瞰力」に基づく情報収集が不可欠です。