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人の心をつかむ

 コイツは生意気とか、偉そうにコイツとか、ウザなコイツとか、誰でも思うときがあります。私も当然あります。そんなとき、みなさんどうしますか?それでも、コイツと付き合いますか?たとえば、コイツが上司だったりすると、仕方なく付き合うかもしれません。それとも、気に入らない上司がいたら、すぐ転職しますか?そんなコイツは、人の心をつかむのが下手です。でも、みなさんも、実はそのように思われているかもしれません。自分では気がつかない。このコイツも、自分では自分が気に入られていないと、気がついていないかもしれません。コイツが気にいらないとあなたが思った瞬間に、コイツもあなたが気に入らないと思っているかもしれません。

 世の中、世渡り上手な人はいます。まさにビジネスライクに生きています。別な言い方をすれば、お金や権力や地位や名誉のために生きることを選択した人たちがいます。それも人生ですから、そのように生きたいと思ったならば、それがその人の価値観です。この人たちは人をたぶらかすのが上手なのかもしれません。相手が上司だったら、本音では嫌いでも、気に入られようとするでしょう。この行為は、ごまをするとか、おべっかを使うとか言います。そうすれば、だいたいの上司は、コイツは気に入ったと思います。上司の心をつかむことに成功したのかもしれません。でも、上司があなたの心をつかんだわけではありません。

 相手に気に入られたいとか、損得勘定とかで心をつかんでも長続きしません。なぜならば、いずれ相手に気づかれてしまうからです。ただし、お互いの価値観が一致した場合には、Win-winの関係が得られるでしょう。時代劇ドラマでよく、「おぬしも悪じゃの」とお代官様と商人が金で手を結んだときは、お互いの心をつかんだのかもしれません。いまの世の中にも、これと同じことが周りにはあまりにもたくさん気づかされます。でも、金で心をつかんだだけです。金の切れ目が縁の切れ目とよく言います。金がなくなったら、すぐ仲違いするでしょう。それでは、本当に心をつかむにはどうすればいいでしょう?

 お金や権力のため心をつかもうとしても、日本人なら少し後ろめたい気持ちになりませんか?なぜならば、そこには倫理観や道徳が欠如しているからです。日本人には子供のころから、悪いことをしてはいけないという倫理観が根付いています。そうではなく、お金や権力には依存しない「信頼」こそが、本当に心をつかみ、お互いをつなぎ止める唯一の手法であると思います。夫婦、家族、親友の間にある信頼関係を考えればすくわかります。お金や権力で築かれてはいません。昔は政略結婚みたいなものもありますが、いまは希でしょう。いずれにせよ、信頼関係が保てなくなったら、夫婦は離婚するかもしれません。子供は家出するかもしれません。親友は去っていくかもしれません。身近な人との関係を考えれば、人の心をつかむ方法も自ずとわかります。