ゲームマニュアルは読まない趣味と勉強

マニュアルは読まない

 日頃、地下鉄で通勤していますが、時々通勤中のおじさんが、マニュアルや解説本を読んでいるのを見かけます。たとえば、Excelの使い方とか、Gmailの使い方とか、たぶん仕事に役立てるために理解しようとしているので、えらいなと感心します。取り組んでいる姿勢は評価できるのですが、概して、マニュアルから入ると、マニュアルを途中まで読んで、飽きてしまうか、眠くなるかで、結局読むのを止めてしまいませんか?マニュアルや解説本は読者にわかりやすく解説するために、簡単な内容から紹介します。プログラミング言語でしたらば、「Hello World」の表示などですね。表示の仕方がわかると、それで満足してしまい、その先に進まないことがあります。私もいろんなプログラミング言語に興味を持って、解説本などもたくさん買ったことがありますが、結局、「Hello World」辺りまでしか、読み進むことができません。

 何が足りないためにそうなってしまうかは、意外と簡単な理由です。それは、目的が明確になっていないからです。何のために、解説本を読もうとしているのかですね。ExcelやPythonなど、それ自体を理解したいと思って読んでいても、続きませんね。この場合の目的とは、たとえばExcelでしたらば、収支決算表をExcelで作成してくれ、と上司から言われれば、当然Excelの使い方を理解しなければなりませんので、表を作りながら、使い方のわからないところを、マニュアルなどを見ながら理解していきます。大量な数値データから、類似性を見出せといわれれば、Pythonは最適なプログラミング言語ですので、Pythonでプログラムを組もうと思い、使い方を勉強します。研究ではFortranを使っていますが、初めての学生には、具体的な問題が解けるプログラムを渡して、それを理解するように指導します。Fortranを理解するのに、マニュアルを読んでいる学生はいません。わからないときは、先輩に聞くのが手っ取り早いですから。

 Word, Excel, PowerPointなど、みなさんもよく使うと思いますが、マニュアルから入った人はほとんどいないはずです。まずは必要に迫られて、使わなければならないところから始まっていませんか?ゲームの場合も同じですね。スマホの画面を必死で掃除しているおばさんを時々見かけますが、よく覗き込んでみると、夢中になって指先ゲームをしていました。マニュアルなど読んでいるはずはありません。シミュレーションゲームが好きだと以前書きましたが、まずはとにかくやってみたいので、ルールもろくすっぽ知らない状態で始めます。やっているうちに、これはルールを知る必要があるなと思った場合には、だいたいはゲームのWikipediaを見ています。最近のシミュレーションゲームは、そもそも印刷物のマニュアルはありませんので。

 なにごとにもいえますが、まずは目的がないと、動機づけがあいまいなので、やる気に繋がりません。たとえば、プログラミング言語を理解する最適な方法は、まず具体的にその言語で何をやりたいかを明確にするのが先決です。そうすれば、1年もやっていれば、自ずと理解できるはずです。