プラス1%の心がけ人生について処世術について

プラス1%の心がけ

 新学期が始まりました。新入社員の心がけについては以前にも書きましたが、いきなり張り切りすぎたり、虚勢を張ったりすると後でボロが出るので注意しましょう。昔、金利7%で10年預金すると、元本がほぼ2倍になります。そんなおいしい時代がありました。ただし、ここではお金の話ではありません。日頃の心がけ次第で、長い人生結構大きく変わるかもといった話です。30年近く学生を見ていますと、その学生が作った資料だけ見ても、その学生の性格や心がけが見えてきます。したがって、1年程度接していれば、その学生の性格はほぼ把握することが出来ます。私自身、個性を大切にしていますので、それぞれの学生の性格を尊重しています。私は、勉強ができる学生よりも、少し変わった学生の方が興味があります。でも本人にしてみれば、私から好かれような嫌われようが、本人の人生にはあまり影響しないでしょう。むしろ、本人の人生のことを考えると、日頃の心がけの方がこれからの人生に大きく影響するのは間違いないです。

 プレゼンの資料で、字が大きかったり、小さかったり、いろいろですが、これは性格を表わしています。ページのデザインなども様々で個性を表しています。誤字が多い学生もいます。でもこれらは、性格や個性の範囲内です。私がむしろ注目するのは、内容そのものです。内容をみれば、本人が自ら探求しているか否かがすぐわかります。またどの程度の視野で探求しているかも見えてきます。それではその探求心はどこから来るのかといえば、それはまさに興味の有無から来ています。自らやっているのか、やらされているのか、だけでもまず違ってきます。特に、好きで自らやっている学生は、私もいずれ追いつけなくなるくらいに探求していきます。昔、「最初はあまり好きでなくても、やっているうちに好きになり、そのうちアイデアは自ずと出てくる」と言っていた偉い先生がおりました。日頃の心がけがプラス1%なのか、マイナス1%なのかで50年経つと、約1.6倍(1.01の50乗)か0.6倍(0.99の50乗)になる計算です。たった1.6倍かと思う人もいるかもしれませんが、そのほんの少しのいわゆるPositive Thinking (プラス思考)が、大学受験や就職、研究業績、営業成績にも繋がってくるのが現実です。

 以前、「強い信念で願望を追求する意欲」が、成功した起業家にある共通点だといっている書籍を紹介ました。なんか抽象的な表現ですが、前向き、すなわちプラス思考であることは言葉からも伝わってくると思います。これらの起業家が最初から好きなことをしていたかどうかはわかりませんが、与えられた仕事を、やらされ感だけでやっていると、ストレスが溜まるばかりです。たとえば、好きな趣味でしたらば、何もそんな心がけがなくても、プラス10%でも100%でもできますね。むしろプラスしすぎて、他のことに充てる時間を潰したり、貯金が底をついたりします。一方、嫌いだなと思うことを、好きになるのはなかなか難しいです。プラス10%も努力しょうなどとは決して思いません。たとえば、授業の宿題や、実験レポートなど、日頃から提出を迫られるものがあります。たぶん、その気になって作れば、1,2時間程度で済むことも、その時間を捻出する際に、面倒くさいとか他にやりたいことがあるので、ついつい後回しにしてしまいます。

 それでは、どうすればプラス思考になるのでしょう? 目標を設定すれば、モチベーションが生まれ、それを成し遂げるための意欲が生まれますので、プラス1%どころかプラス10%のプラス思考にもなります。一方、ここで言いたいプラス1%は、日常生活におけるほんのわずかなプラス思考になります。日頃からプラス1%の心がけでいることが、結果的に、長い年月をかけて積分値で効いてきますよ、といった感じです。それは、勉強や仕事だけでなく、自分という人格を形成するためにも大切な心がけかもしれません。若い皆さんにはたっぷり時間があります。今日からでも全然遅くありません。「プラス1%の心がけ」 で歩んでみてはいかがでしょう。将来、きっと何かしら自分のスキルアップに繋がるだろうと期待して、 「プラス1%の心がけ」 で歩めば、50年後にきっと後悔しない人生があると思いますが、いかかですか?