やはりMade in Japan処世術について日本人再考

やはりMade in Japan

 安かろう、不味かろう、という食べ物は安くてもあまり食べたくありませんね。安かろう、旨かろう、を探しませんか?高かろう、不味かろう、は最悪ですが、高かろう、旨かろう、は当然です。日本経済のバブルが約30年前にはじけてから、日本人の給与は30年間、ちっとも上がらず、大卒の初任給は4万円だけ増えて現在21万円。一方、スイスの給与はこの30年で6倍になり、初任給は70万円とか。参政党のゴレンジャーが言っていました。なんで日本人の給与は上がらないのか?それは、バブル崩壊後に郵政など公社が民営化したり、民間企業が株の持ち合いを止めさせられたりして、これらに外資がどんどん入り込んだ結果、本来、企業を支えている従業員に支払うべきお金が、株の配当として、株主のものになってしまったからだ、とも言っていました。また、大蔵省だったのが、財務省に名前が変わったのが、実は見えない〇〇支配の始まりだとも言っていました。今から思えば、小泉前首相が、自民党をぶっ潰すといって首相になり、郵政の民営化を国民に問うため、解散総選挙を実施して勝利した辺りが、〇〇による日本資産搾取の始まりだったようです。ちなみに、そのときの経済財政担当の大臣が、竹中平蔵です。幸か不幸か、物価もあまり上がらず、安売り合戦でお店がチキンレースをして、いつの間にか、安い物を買い求めるのが普通になっています。バブル最盛期は、とにかく高い物、ブランド品、でなければはずかしくて所有できないような雰囲気があったことなど、みなさんご存じですか?

 企業が安売りモードに入ってしまうと、当然、製造コストや人件費の削減に向かい、日本の周りを見渡すと、人件費が安い中国がすぐそばにありましたから、自ずと工場を中国に移して現地人を雇ってモノづくりをしようと思います。その流れで日本の企業は軒並み中国に進出しました。Made in Chinaが日本中でお目にかかるようになり、安い服を売るユ〇ク〇とか、100円ショップのダ〇ソーが日本中にたくさん出店してきます。私もずいぶん恩恵にあずかっていました(最近はどちらも行くのをやめた)。製造業もたくさん中国に進出しました。したたかな中国は、進出する際に中国企業との合弁を条件にして、日本企業の技術を搾取しましたが、背に腹は代えられないと、まさにネギをしょったカモになりました。それから30年。いまどうなっているでしょう。人件費が安いからと進出していった中国は、人件費がどんどん上がって、もはや日本より高くなってしまい、人件費の安い国を探して、たとえばベトナムやカンボジアなどに工場を移転しています。気が付いたら、日本人の方が貧乏になってしまいました。日本からじゅうぶん技術を吸い取って、もう日本さんいりませんよ、という分野も家電などに出てきています。それなら、みんな日本に戻ればいいじゃないかと思いますが、そう単純にはいきません。なぜならば、日本は少子化がどんどん進んで、従業員に雇う人材を確保すること自体が難しくなっています。

 1960年代の高度成長期は、大量生産型産業で日本経済は急成長しました。1980年代には、有り余ったお金で世界中の土地を買い漁って、Japan as No.1とかいわれたり、エコノミックアニマルと呼ばれていました。日本車の進出に自国の自動車会社が危機的な状況になったアメリカでは、日本車を叩き壊すパフォーマンスなどもやっていました。そして、バブルになり、日本は異常な浮かれ景気になり、札束が飛び交い、ブランド品を買い漁り、絵画を高額で買ったり、企業を買収したり、そしてロックフェラービルなどを買ったりと、まあ今から思えば、どこかの国がいまやっていることと、その時の日本は同じことをしていました。でも、バブルははじけました。というよりは、○○の策略ではじけさせられたという話もありますが、詳しくは私もわかりません。その後は、みなさんご存じのように、浮かれた話は消え去り、銀行には負債が残り、産業は停滞して、経済は低迷して、夢のあとが、今日まで続いています。挙句の果てには、この2年、コロナ禍でさらに企業業績は悪くなり、お店はたくさん潰れて、安くなった株は外資にさらに買い漁られて、土地は外国に買い漁られ、日本はどんどんバーゲンセールで安く叩かれて売られて、はてさて、この先どうなってしまうのか?

 いま日本の産業を支えているのは、自動車産業です。なぜならば、自動車を造るためには、トヨタや日産だけでなく、自動車を構成する部品を造る多くの中小企業があり、たくさんの人たちの雇用を支えています。日本の自動車産業がコケたら、日本は間違いなく終了です。いま、ガソリン車はEV車に置き換わろうとしています。EV車はドンガラにモーターを付ければいいだけですから、どこの国でも簡単に造れます。そうなってしまうと、日本の自動車産業は衰退します。でも冷静になって考えてみましょう。そもそもEV車社会が本当に来ると思いますか?EV車が増えるということは、それだけ電気消費量が増えるということです。いま、ヨーロッパがどうなっているかご存じかと思いますが、天然ガス不足ですでに電力危機に見舞われています。こんな状況でEV車が普及するでしょうか?カーボンニュートラルとかいう、明らかにトンチンカンな政策を強引に押し通そうとした結果がこれです。太陽光発電を増やせと言っていたヨーロッパがいま、休止していた石炭火力や原子力発電を再稼働しようとしています。騙されてはいけません。真面目で器用な日本人の技術力は、いまでも世界一です。自動車に限らず、産業機械、精密機器、化学機器、特殊機器、・・・、など長年の叡智を結集しなければ開発できないものは、安易な気持ちで短期間で造ろうとしても、無理に決まっています。

 Made in Japanのブランドは今も世界中から愛されています。高くても買いたい人たちが海外にはたくさんいます。Made in Japanにさらに付加価値を付けて、富裕層に高い物を売りつけてやりましょう。これだけは日本でしか造れない、そして買えない物を造りましょう。特に、自動車の要素部品、半導体製造装置や部品、化学製品、など基盤技術や、日本の伝統工芸品、日本酒・ウイスキー、高級農作物、などなど、日本(日本人)にしか造れないものがたくさんあります。これら、高い技術力に基づくMade in Japanを保護・育成するところに、日本が生き残るためのヒントがあると私は思います。