処世術について日本人再考私思事趣味と勉強

やはり真の歴史を知る努力を

 今回の参院選を見ていて、日本人が真の歴史を知らないことを、本当に痛感しました。それもしかたありません。戦後、学校の教科書で教えている歴史は、勝者の造った歴史だからです。勝者に都合の悪い部分は完全に取り除かれているか、書き換えられています。私も3年ほど前まではみなさんと同じで知りませんでした。というよりは騙されていました。そもそも、日本の歴史などまったく興味がなかったので、高校では世界史を取りました。日本の歴史上の人物などほとんど知るよしもありませんでした。それでは,世界史を取ったから世界のことはわかったのかといわれれば、受験のために取ったのが最大に理由ですから、世界史にもそれほど興味があったわけでもありません。世界で起きた出来ごとの名称と年代と関わった人たちくらいしか知りませんでした。それぞれの横の関係など考えることもありませんでした。生きていく上で、これまで起きた歴史上のできごとなど、直接関係ありませんから、興味も沸かないでしょう。興味が出るとすれば、NHKの大河ドラマで取り上げられる時代くらい、かもしれません。信長、秀吉、家康辺りの戦国時代や、隆盛、龍馬、慶喜など幕末辺りはみなさん、大河ドラマでもよく見ている時代です。大河ドラマの功罪については以前も書きましたが、でも娯楽として見れば、水戸黄門もそう、司馬遼太郎の小説もそう、楽しく見ましょう読みましょう、と私も思います。

 私がなんで歴史に興味を持ったのかといえば、3年ほど前に、老後のことも考えて、書くことが好きなので、小説でも書こうかなと漠然とした思いから、まずはネットで調べていたら、本を読まないやつは小説など書けない、とたくさん見つけたことが始まりです。それまでは、本当に本を読むのが嫌いで、特に小説など読み始めても、だいたいすぐ飽きてしまいます。基本的に他人が作った話にあまり興味が沸きません。だから自分の話を書きたかったということもあります。当然、研究者ですから、論文はたくさん読みましたし、また書きました。時事問題や、経済、技術などのノンフィクションはよく読んでいました。それで、とにかく本を読むために、Kindle Unlimitedを契約して、iPad miniで、地下鉄の中で読み始めました。小説が書きたいと言いながら、他人の小説を読むのは相変わらず嫌いで、結局、最初はジャンルを決めず、小説以外の、特にノンフィクションで興味のありそうな本をランダムに読み始めました。学生がどうして、うつになるのかも知りたくて、健康や心理関連の本を読んでいたら、腸と腸内細菌に行き着きました。さらに心について本を読んでいたら、お二人の曹洞宗僧侶が書いた本に行き着きました。そして、価値観、承認欲、利他、などについてたいへん勉強になりました。日本人には、利他の心がある。その利他の心はどこにいってしまったのか、とさらに本を漁っていたら、戦後の歴史にたどり着きました。

 日本の真の歴史を知るうえで、避けて通れないのは、戦後GHQが日本に対して何をしたかということです。これは、現在の歴史の教科書にもつながります。まさに勝者の歴史がここから教え始められたわけです。そこを避けていたら、いつまで経っても目覚めることはありません。ここで私が詳しく説明しなくても、自ら本を探せば、たくさん見つかります。実は日本人が知らないだけで、アメリカ人は戦後日本でGHQが何をしたのか、結構知っています。公文書も公開されていますし、何といっても勝者だからです。日本の歴史が書き換えられたと知って、次に興味が出てきて、読み始めた本は、日本人のルーツです。日本史の教科書には、縄文時代には竪穴式住居で狩猟を中心とした生活が営まれていた。そして、弥生時代に大陸から、人や稲や技術が伝わり、それが日本人のルーツであると教えられています。そこで、日本のルーツを記したと知られている、二つの記紀、古事記と日本書記について、原文ではありませんが、それらの解説書を読み漁りました。天照大神(アマテラスオオミカミ)から始まる神話の世界が記され、その後、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が天孫降臨して、その子孫である神倭伊波毘古命(カムヤマトイワレビトノミコト)こと、神武天皇が東征して大和朝廷を築いて、それが日本の始まりであり、天皇の始まりであると記されています。少なくとも、弥生時代より昔から天皇の歴史は続いていたことを示唆しています。それでは、その神話の世界はどうなっているのかが知りたくて、いろいろ漁っていたら、縄文時代に行き着きました。

 縄文遺跡や土器などを研究している研究者の本を何冊か読んでいるうちに、最近の遺跡発掘から、少なくとも約1万6千年前から縄文文明が始まっていることを知りました。縄文文明ではどんな生活が営まれ、文化が築かれたのかを知ることができました。それではその文明はどうしてできたのかを本を探していたところ、日本列島が形成された歴史に行き着きました。約2万年前までは陸続きだった日本が、その後に温暖化のため、海面が140メートルも上昇して島国になりました。日本人はその中に閉じ込められてしまいました。縄文人は、非農耕型定住生活を送っていたことが遺跡などからわかり、それは縄文カレンダーにもなっています。四季があり、雨も豊富で、自然が豊かで、季節ごとに違った様々な食べ物を食し、一方では自然災害も多く、自然に対する畏敬の念が生まれ、八百万の神信仰が生まれたと確信しました。それでは、その日本人はそもそもどこから来たのかを知るために、本を探していたところ、最近のDNA分析技術の進化を知り、特にY染色体ハプログループの分析から、日本人のルーツは約3万年前に誕生したDタイプで、日本列島にしか存在しない固有のものであることが判明しました。弥生時代に大陸から入ってきた人々がルーツではないことを証明しています。天皇は男系でこのY染色体ハプログループを継承しているといわれています。それゆえに、男系にこだわっているわけです。どうでしょう、ご存じでしたか?

 まだまだ歴史を網羅しきれていないのでまた書きますが、ここで書いたことを俯瞰してまとめたものが、今年3月に出版した本です。手っ取り早く知りたい方はぜひともご購入ください(印刷版は印刷代のため、すこしお高いですが)。今回の選挙では参政党のサポーターになり応援しましたが、彼らの言っていたことは、日本の真の歴史を知ったものにとってはごく当たり前のことでした。ネットでは誹謗中傷がたくさんありましたが、たぶん日本の真の歴史を知らないのか、もしくは故意にそうしているかのどちらかでしょうね。