もっと自信を持とう人生について俯瞰力について処世術について日本人再考洗脳

もっと自信を持とう

 最近、自分に自信の持てない若者が増えているように思えます。それもしかたありません。世の中がそのようになっているからかもしれません。1960年代、日本は高度成長期。その後、オイルショックで不景気になりましたが、1980年代はバブル絶頂期でした。私の学生時代もまさにその時に当たります。「私をゲレンデに連れてって」という原田知世が主人公の映画があの時期を象徴していますが、私も周りに振り回されて、高いスキー道具の一式を20万円ほどかけて買ったことがありました。でも結局、2回しか使わず、その後、邪魔になって捨てました。なんか、スキーをやらないと人間ではないような、変な雰囲気がありました。バブル崩壊後、失われた30年といわれて、今日に至っています。気がついたら、GDPも中国に抜かれました。

 1990年代に、私の先生が仙台で国際会議を主催したことがあり、私も財務を担当していました。その時は、中国から参加した研究者にはほぼ全員に旅費を支給していました。日本の企業がまだ、国際会議などに多額の賛助金を支給できた時代で、そのお金が回りまわって中国人研究者に支給されていたことになります。なぜか研究者ではない人も同行していました。実はその人の方が偉い方でした。その人にも支給しました。額が少ないと怒っていた人もいました。それから急速に経済力を付けてきた中国では、賃金はどんどん上昇して、いまや都市部の平均賃金は日本より高くなりました。お金持ちの中国人がたくさん日本に観光で訪れて,多額のお金を使っています。たくさん観光でお金を落ちしてくれるのは大歓迎です。ただ、お金を持つと、態度も大きくなるのが人の性(さが)なのでしょう。

 「恩を仇で返す」ということわざがあります。いろいろ恩恵を受けて育った人が、最後に恩人をないがしろにすることを意味します。ODAで多額の支援を受けて、中国企業は日本企業からたくさんの技術を得て成長しました。その結果、家電製品では、日本企業の競争力がなくなり、中国企業に買収されたりしています。ノートPCやスマホも中国製品で溢れています。そんなことから、日本は技術的にすでに遅れてしまい、もはや敵ではないとまで言われています。こんな世の中では、日本人の若者も自信を失ってしまうのも仕方ありません。でも本当にそうでしょうか? もし、そう思わされているとしたらどうでしょう? 1980年代の好景気に日本の自動車が大量に輸出されて、アメリカの自動車会社が不況に陥ってしまい、わざわさメディアを使って、日本たたきとばかりに日本車をたたき壊すパフォーマンスまでしていました。売れるものを売っているだけなのに、それが悪いかのような印象を与えていました。

 いま、カーボンニュートラルとかSDGsとかの謳い文句で、ガソリン車を廃止して、EV車にしろと日本にも圧力がかかっています。COPでは毎回のように、日本は「化石賞」を受賞しています。同じ事が繰り返されています。なぜそんなに日本たたきが好きなのでしょう?よく考えてみてください。本当に弱い国ならそもそもたたく必要もありません。現在、発電用ガスタービンは日本の三菱重工が世界シェアトップです。他、シーメンスとGEしか事実上造れません。さらなる高効率化のための技術開発はもはや日本しかできないようになってきました。いま、売り上げが伸びています。SDGsで化石燃料はだめといいながら、なぜ日本の発電用ガスタービンが売れているのでしょう?それは、これが必要だからです。太陽光発電が増えれば増えるほど、発電用ガスタービンが増える必然的な理由があります。

 日本は気に入らない。だから叩く。でも必要。技術力ではかなわない日本を叩くための行為であることを理解しましょう。他国では真似のできない技術力をたくさん持っている日本。そしてその日本人。そしてそのひとりである、あなた。日本人として、もっと自信を持ちましょう。