もしあの時こうだったら...人生について私思事

もしあの時こうだったら...

 長く生きていると、人生のターニングポイントと思われることがあります。これからまだ先が長い若い方には関係のないことかもしれません。私の場合、人生最初のターニングポイントだったと思えるのは、中学の入学式のとき、その帰りに一人の先輩に声をかけられたことです。その先輩はバスケット部の部長をしていた人で、私も中学入学時点ですでに身長が170cmくらいありました(今は180cmくらい)ので、「背が高いからバスケ部に入らないか」と声をかけられ、そのままバスケット部に入部しました。結局、中3のときに部長をやり、そのまま高校でも続けました。でも、もしあの時バスケ部に入部していなかったら、その後、どうなったのかということを時々考えます。そんなに運動が得意だったわけでもありませんから、運動部以外に入部していた可能性の方が高かったように思います。

 他にも、大学で落とすと留年だった科目で、試験の出来がひどすぎて、担当教員に出来を聞きに行ったことがあります。もしあの時、留年していたらその後どうなったのかとか。就職先に、いまの職場を選びましたが、ちょうどバブル真っ盛りの時で、私以外の同期はすべて企業に就職しました。あの時、企業に就職していたら、今頃どうなっていなのかとか。研究者として取り組んでいる専門分野が別のものだったらとか。結婚相手が別の人だったらとか。住んでいるところが別の場所だったらとか。考えればたくさんあります。極めつけは、震災の時、被災した両親に対してとった対応があれでよかったのか、などです。当然のことながら、別の選択肢を選んでいれば、別の人生が始まっていたことは確かです。

 それでは、その別の人生の方が、よかったのか悪かったのか?ああしていれば、こうなっていただろうと想像することはいくらでもできますが、時間を巻き戻すことはできませんので、これは確認しようがありません。でも、もし時間を巻き戻すことができたら、過去に戻るかと聞かれれば、もう結構ですと答えます。それだけ年をとって、昔のような気力がもう出てきそうにありません(昔にもどれば、昔の気力がもどるのかもしれませんが)。以前、「夢は諦めない、でも諦めも肝心?」でも書きましたが、温故知新を忘れず、将来の夢を持ち続けて、未来に向けて生きることが、人生を前向きにする秘訣だと思っています。もし、失敗したら、また温故知新で方向修正すればいいのではないですか。振り返ってみるこれまでの人生は、その軌跡ですね。