お盆と大雨日本人再考日記

お盆と大雨

 オリンピックが終わり、お盆もそろそろ終わりですが、ここのところ、毎日雨が降っています。特に、九州や中国地方では、線状降雨帯が居座って、連日大雨を降らせており、多くの場所で洪水が発生しています。古事記の中に、出雲の国(今の鳥取辺り)で娘を生贄として食べにくる8つの頭を持った怪獣、ヤマタノオロチ(八俣遠呂智、八岐大蛇)の話があります。おとぎ話の一つになっていますが、8人娘がいた夫婦は、これまで7人が食べられてしまいました。最後の娘であるクシナダヒメも食べられるという話を聞いた素戔嗚尊(スサノオノミコト)は、娘との結婚を条件にヤマタノオロチを退治することにしました。酒に酔わせたあと剣で成敗して、切った尻尾から、草薙の剣を獲得したとされています。草薙の剣は、万世一系の天皇が所持する三種の神器の一つになっています。出雲には毎年洪水を起こして氾濫する川があったとされ、その川がいくつにも枝分かれして流れていたことから、それがヤマタノオロチ伝説の起源であるという説があります。日本は四季があり、雨が降ることで1万年以上繁栄することができたことは確かです。ただ、その歴史の中で、洪水などの災害を繰り返してきたことも事実です。このような天変地異を後世に伝えるために、祭りにしたり慰霊碑などを建立してきました。おとぎ話の中にも、歴史の事実を後世に言い伝えるために、子供にもわかりやすい形で語り伝わってきたものが多いかもしれません。

 今回、大雨の被害にあわれた方々には、心からお見舞い申し上げます。