お散歩コース紹介日記

鳴子紅葉お散歩コース

 春に、塩釜-松島お散歩コースを書いて以来の、第2弾になります。Nikon Z6 + Nikkor Z 24-200mmを新規で購入したので、試し撮りも兼ねての、お散歩を紹介しましたが、それから早くも半年が過ぎて、結局、春以降全然使うことができなかったZ6ですが、2日前たまたま天気予報を見ていたら、11月3日の文化の日は晴れで気温も20度となっていたので、ここのところ、根っこが生えて出不精になっていた私ですが、そういえば紅葉シーズンではないかと思いだし、そうだ鳴子があるじゃん、となったわけです。私はゴールドライセンスのペーパードライバーなので、電車でお出かけです。スマホのNAVITIMEで、電車を検索したところ、11月3日から4日間、「快速湯けむり号」というのが9時7分発でありました。通常、仙台からは、東北本線で小牛田まで乗ってから陸羽東線に乗り換えて、鳴子温泉駅まで向かいます。この湯けむり号は仙台から鳴子温泉駅まで乗り換えなしで行くことができる、鉄道開業150周年記念の特別列車であることがわかりました。よしこれで行こうということで、鳴子に紅葉を見に行くことを決意しました。昨日夜、念のため電車の時間をもう一度確認したところ、指定530円という項目があり、ええ、もしかして指定を取らないと乗れない?その時点でモチベーションががくっと落ちたのですが、ダメもとで予約状況を見ようと、えきねっとで検索したところ、なんと、4席だけ空いていました。前日に空いているのは間違いなくキャンセル分だと思います。ラッキーとすかさず、窓側の席を予約して、昨日は寝ました。

 今日朝、電車が9時なので、その前に「半田屋」ででも朝飯を食べようと、すこし早めに家を出て、バスで地下鉄の駅まで向かっていたところ、突然、スマホが鳴り出し、周り中鳴り出し、何ごととスマホを見たら、Jアラートです。前回鳴ったのを忘れてしまうほど、久しぶりのことで、仙台地区に住んでいる皆さんはさぞかし驚かれたかと思います。「北朝鮮が弾道ミサイルを発射したので、地下などの安全なところに避難してください。」とあります。地下などにと言われても、いまバスの中じゃ、とどうすりゃいいのという、何もできない状況に陥りました。バスの運転手もどうすることもできないのか、そのまま駅まで走っていましたが、社内連絡でも、「地下等安全なところに避難してください。」と何言っての状態。嫌な予感が走ります。本当に飛んできて落ちたらもう終わりだろうという諦めの境地と、9時7分の湯けむり号に乗り遅れるかもという不安感、半田屋で飯が食えない残念感などが交叉します。実は以前も鳴子に紅葉を見に行った際、まさに陸羽東線が強風のため足止めされて、結局JRの代替バスが来て、3時間?遅れで鳴子に到着した記憶があり、なんか鳴子行きは祟られているのかとも思いながら、地下鉄の駅に着きました。案の定、地下鉄も止まっており、社内アナウンスでは頻繁に、「安全が確認できるまで発車を見合わせています」と言っています。それでもミサイルは太平洋まで頭越しに飛んでいったのか(その後、日本海上空で消失した?)、運行は再開されて、線路の安全確認をしながら(なんか落ちてんの?)低速でしたが、20分遅れで仙台駅に到着しました。半田屋で飯を食う時間を確保していなかったら、どうなっていたのか不幸中の幸いで、結局、半田屋の飯はおにぎり2個に化けて、湯けむり号はだいたい10分遅れ程度で出発して、無事に鳴子に向かうことができました。

レトロな外装の湯けむり号
でも車内は普通

 コロナ渦で姿が見えなかった外国人観光客や、たぶん留学生の集団が結構、乗車していました。私の乗った車両は指定席車両です。私は一人だけ予約したため、仙台駅からは空いていた(感染防止のため?)隣の席ですが、新幹線の駅がある古川からまたたくさん人が乗車してきて、どこかのおばちゃんが、「ここが空いている、ここでいいや」を座ってきました。車内アナウンスではしきりと指定席である旨、言っているのですが、どうも確信犯のようです。まあ空いている席ですから、別に座ってもらってもいいかなと思って無視していましたが、3両ある車両のうち1車両だけ自由席になっていて、そちらは超混雑状態だったようです。おばちゃんもラッキーといったところでした。中国人らしき集団も指定席の空いているところになだれ込んで、最初は座っていましたが、車内アナウンスで車掌が巡回するといった後、自由席の方に移動しました。日本語でのアナウンスですから、たぶん日本語のわかる添乗員が伝えたのかもしれません。それにしても車内巡回するといいながら、隣のおばちゃんは結局、鳴子まで座っていましたので、いつも車掌もこんな調子でやっているのね、と理解しつつ、幸い古川の出発時間に余裕があったため、鳴子温泉駅には定時の11時1分に到着しました。

 ちょっと前置きが長くなりましたが、ここからがお散歩情報の本番です。10月下旬から11月上旬にかけて、鳴子は紅葉のピークを迎え、コロナ前は日本人に加えてたくさんの外国人観光客でごった返していました。今回も、かなりコロナ前の状況に戻ったようです。このシーズンにマイカーで向かうと、地獄を見ます。超渋滞です。マイカーはお勧めしません。電車ですと、降りる場所の候補が二箇所あり、一つは鳴子温泉駅で、もう一つはさらに一つ先の中山平温泉駅になります。鳴子温泉駅周辺には紅葉スポットはなく、少し山を登った中山平入口がよくニュースにも出てくる紅葉のスポットですので、そこまで、鳴子温泉駅からは、バスかタクシーで向かいます。一方、中山平温泉駅は中山平入口のさらに先にある駅で、通常バスもタクシーのいない無人駅ですので、そこから中山平入口まで戻る方向に歩くことになります。だいたい30分くらいありますので、それなりの距離はあります。紅葉シーズンだけ運行している臨時バス、「紅葉号」があり、今回はこれで移動することにしました。バスの時間は電車の時間とリンクしており、バスの台数も大型バスが5台ほどあるので、乗れないということはなさそうですが、とにかく道がマイカーで混んでいるので、普段10分程度でいけるところが何分かかるかはわかりません。結局のところ今回は35分くらいかかりました。中山平温泉駅から歩く時間とほぼ同じです。でも、あまり歩き慣れていない方は、鳴子峡でも結構歩きますので、バスにしておいた方が無難かもしれません。私は、これまでは中山平温泉駅から中山平入口まで歩いていましたが、最近あまり歩き慣れていなかったこともあり、今回は久しぶりにバスにしました。

中山平温泉駅行きのミヤコーバス
マイカーの渋滞

 中山平入口で最も有名なのは、鳴子峡にかかる橋、回顧橋 (みかえりばし)から見れる紅葉の絶景です。今回はこれまで見た中でも、ベストタイミングで、紅葉のグラデーションが見事でした。橋の先にいったところに食堂やお土産屋が入った「レストハウス」がありますが、とにかくものすごい人で、人の多いところが嫌いな私は当然パスして、周りをもう少し見渡していたところ、鳴子峡の下まで人が行けるようになっていることに気がつきました。ただし、相変わらず一部だけです。東日本大震災で、鳴子峡の遊歩道は完全閉鎖されてしまい、今日に至っていました。あそこを歩くのがまさに鳴子峡の醍醐味で、震災前は毎年のように歩いていた私としては寂しい限りですが、でも下まで降りることができるのを知り、迷わず急な階段ではありますが、降りました。やはり実際に見た紅葉を再現しきれていないのですが、写真を3枚ほど紹介します。

回顧橋からの紅葉
鳴子峡の底の部分
下から見た回顧橋

 降りたはいいが、やはり登りがきつくて、上まで戻ったときは、汗だくになりました。さて次はどうしようということですが、みなさんはぜひともレストハウスで休憩しましょう。お一人様ではないときもありますし、お腹もすいてきます。私は出発前にだいたい、エネルギーと水分補給用の食べ物と飲み物を携帯して、寄る必要がないようにはしています。鳴子峡が歩けない代わりに、大深沢という遊歩道があります。鳴子峡に比べれば魅力度は落ちますが、紅葉がきれいな場所も見つけることができます。また、これを歩いて行くと、中山平温泉の方にも行けるので、それを歩きながら帰ろうかと歩き始めました。きれいな紅葉が何ヶ所かありましたが、2枚だけ写真を紹介します。

大深沢遊歩道
大深沢の紅葉

 だいたい半分くらい歩いて来たかなと思ったところ、なんとその先は通行止めでした。あちゃちゃ、で引き返さざるを得なくなり、仕方なく、もう一度、回顧橋を通ってから、中山平温泉駅に向かうことにして来た道を戻ることにしました。回顧橋の辺りに来たところ、先ほどとは比べものにならないくらいの人だかりで、カメラをみんな、陸羽東線のトンネルに向けているのが見えました。先に示した「回顧橋からの紅葉」の写真をよく見ると、真ん中辺りにトンネルと橋があります。ご存じの方も多いと思いますが、ここはいわゆる撮り鉄に有名な場所です。私は撮り鉄でもなく、また陸羽東線の便の本数も2時間に1本程度ですので、はなからそのつもりはなかったのですが、どうも道を戻って時間をロスしたおかげで、回顧橋辺りに来たところ、ちょうど、鳴子温泉駅から中山平温泉駅に向かう電車がトンネルから顔を出す時間に遭遇したようです。これはめったにないチャンスだとばかりに、せっかく新調したカメラも持っているし、撮り鉄がいて混んでいる場所に近づいて、カメラ背面の角度が変えられる液晶画面を下に向けて、撮り鉄の頭の上にカメラを構えて、電車が来るのを腕が痛くなりながら待って撮った写真が次です。たまたまとはいえ、自分でもなかなかのできばえと満足しています。

鳴子峡と陸羽東線その1
鳴子峡と陸羽東線その2

 偶然の出来事も重なり、やっぱり来て良かったと満足して、その後30分くらいかけて、中山平温泉駅まで行って、13時56分の電車で帰りました。途中、小牛田で乗り換えて、仙台には16時19分に到着しました。帰りの電車は、鳴子温泉駅で乗ればいいのですが、慣れた方は座席に座りたいので、一つ手前の中山平温泉駅で乗ります。そのため、鳴子温泉駅に着いた時には、席が埋まっているおそれがあります。私もそれを学習しました。中山平温泉駅は普段は無人駅です。写真にあるような、ちっちゃくて、ぼっちい?駅舎です。紅葉シーズンは携帯切符発売機を持ったJRの職員がいます。私もそれで切符を発行してもらいました。

 最後に一番お気に入りの写真も紹介します。回顧橋からの眺めは素晴らしいのですが、私はやはり鳴子峡の底で撮った写真が、私にとっての鳴子峡でした。ホームページには、塩釜-松島お散歩コースと合わせて、「お散歩コース紹介」というカテゴリを新規に追加します。今後も機会があったら、また紹介します。

中山平温泉駅周辺
一番お気に入りの鳴子峡の底で撮った1枚の写真