トラベル日本人再考日記

十戒と十善戒

 前回の都市伝説?の続きになります。モーセの十戒は聞いたことがあるかと思います。アブラハムが神より啓示を受けて、その子孫がカナンの地に住み着いていましたが、飢饉が発生したため、エジプトに移り住みました。しかし、しばらくしてエジプト人から迫害を受けるようになったので、モーセを中心として出エジプトします。ということが、旧約聖書に書かれているそうです。そのモーセがシナイ山で神より授かったとされるのが、モーセの十戒です。Wikipediaより引用します。

  1. 主が唯一の神であること
  2. 偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
  3. 神の名をみだりに唱えてはならないこと
  4. 安息日を守ること
  5. 母を敬うこと
  6. 殺人をしてはいけないこと(汝、殺す勿れ)
  7. 姦淫をしてはいけないこと
  8. 盗んではいけないこと(汝、盗む勿れ)
  9. 隣人について偽証してはいけないこと
  10. 隣人の家や財産をむさぼってはいけないこと

 いわゆる、ユダヤ教徒の十戒に当たります。

 さて、先に紹介した廣隆寺にも十戒があり、境内にパネルで掲示されていました。正確には十善戒と呼ばれています。

 写真では読みづらいので、こちらもネット上から貰ってきました。

  1. 不殺生(ふせっしょう)むやみに生き物を傷つけない
  2. 不偸盗(ふちゅうとう)ものを盗まない
  3. 不邪婬(ふじゃいん)男女の道を乱さない
  4. 不妄語(ふもうご)うそをつかない
  5. 不綺語(ふきご)無意味なおしゃべりをしない
  6. 不悪口(ふあっく)乱暴なことばを使わない
  7. 不両舌(ふりょうぜつ)筋の通らないことを言わない
  8. 不慳貪(ふけんどん)欲深いことをしない
  9. 不瞋恚(ふしんに)耐え忍んで怒らない
  10. 不邪見(ふじゃけん)まちがった考え方をしない

 この二つの十戒が関係しているというのが都市伝説?にあります。どうでしょうか、見比べてみて。モーセの十戒にある6から10は、廣隆寺の十善戒にも同じようなことが書かれています。でも、これらは半ば一般常識の範囲内にあります。モーセの十戒にある1から4は唯一神ヤハウェを信仰するユダヤ教独自の戒律に当たります。この部分を廣隆寺の十善戒から見いだすのはかなり無理があります。また、モーセの十戒の2番目には偶像崇拝の禁止があります。でも、廣隆寺の御本尊は弥勒菩薩です。廣隆寺は真言宗のお寺ですが、この十善戒は真言宗の教えとして、廣隆寺だけの十善戒ではありません。ただ、十戒を刻むということ自体は同じ行為ですので、もしかすると何かしらの関係はあるかもしれません。

 ちなみに、真言宗を開祖した空海についても、いろいろ都市伝説?が謂われています。四国で四十八ヶ所を巡るお遍路さんの由来も真言宗になります。なお、現在では、十善戒は真言宗のみならず、他宗派も含む仏教全般における教えになっているようです。仏教のお寺に行けば、どこでもお目にかかれるかもしれません。書かれていることは、日本人からすれば、すべて常識だと思いますが、いかがでしょう。でもでも、その常識がなかなか守れなかったりするのも現実です。また、守れない人たちが増えてきている今日かと。どうみても、モーセの十戒を守っていないユダヤ教徒?らしき方々も見受けられます。死後に地獄に行きたいのでしょうか?